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気温が低くなってきて。
身体を寄せ合わないと、汗の引きたての素肌は、どうにも温度を失っていくので。
タオルケットをかぶって。
さくらさんは鎖骨の下に器用に頭を乗せてきて。
こんなことを言いました。
「ねぇこういち、あたし、アレきたんだ。先月。」
……初耳です。
「聞かれなかったからね。」
そういうのは詭弁ですらないんですよ?
「知ってたって、避妊しなかったでしょ?」
そりゃ、ま、そうですけど。
「あたしだって避妊なんてさせないけど。」
……。
「さっきので」
「あたしが妊娠したら。」
「こういちはどうする?」
……あなたの、さくらさんの未来を。いくらか、もらうことになります。
「それって?」
それが良いことなのか悪いことなのか。全く自信ないですけど、ね。
「……そっか。ありがと、こういち。でもね、こういち。」
「随分あたしたちは迷ってきたけど。何が間違っていて、何が正しいなんて、きっとないんだよ。不幸になる行為を繰り返し、迫害されるべき未来を選択し、世間の発覚に怯えてきたあたしたちだけど。」
「正解なんてないんだよ、みんな正しいんだよ。あたしたちが死ぬ気で歩んできた道はあたしたちの絆になってるじゃない。嘆き悲しみ泣く必要なんてない。あたしたちはあたしたち自身に胸を張れればそれでいい。他人の顔色をみてご機嫌を伺いながら張る胸なんてネコにでも食わせてやればいいんだわ。」
「許されない関係だってわかってる。結ばれない関係だってわかってる。人生や家族にも大きな影響が出ちゃうことだって。それが取り返しのつかないことも。だけどあたしはこういちが好き。そう言える自分が好き。そう思わせてくれたあなたが好きよ。こういち。あたしとこういちの間に新しい命が出来たら、こういち。」
「あたしをさらって。」
「こういちとだったら、どこへでも行くから。」
そう言って柄になく、さくらさんはちょっとだけ泣いた。
身体を寄せ合わないと、汗の引きたての素肌は、どうにも温度を失っていくので。
タオルケットをかぶって。
さくらさんは鎖骨の下に器用に頭を乗せてきて。
こんなことを言いました。
「ねぇこういち、あたし、アレきたんだ。先月。」
……初耳です。
「聞かれなかったからね。」
そういうのは詭弁ですらないんですよ?
「知ってたって、避妊しなかったでしょ?」
そりゃ、ま、そうですけど。
「あたしだって避妊なんてさせないけど。」
……。
「さっきので」
「あたしが妊娠したら。」
「こういちはどうする?」
……あなたの、さくらさんの未来を。いくらか、もらうことになります。
「それって?」
それが良いことなのか悪いことなのか。全く自信ないですけど、ね。
「……そっか。ありがと、こういち。でもね、こういち。」
「随分あたしたちは迷ってきたけど。何が間違っていて、何が正しいなんて、きっとないんだよ。不幸になる行為を繰り返し、迫害されるべき未来を選択し、世間の発覚に怯えてきたあたしたちだけど。」
「正解なんてないんだよ、みんな正しいんだよ。あたしたちが死ぬ気で歩んできた道はあたしたちの絆になってるじゃない。嘆き悲しみ泣く必要なんてない。あたしたちはあたしたち自身に胸を張れればそれでいい。他人の顔色をみてご機嫌を伺いながら張る胸なんてネコにでも食わせてやればいいんだわ。」
「許されない関係だってわかってる。結ばれない関係だってわかってる。人生や家族にも大きな影響が出ちゃうことだって。それが取り返しのつかないことも。だけどあたしはこういちが好き。そう言える自分が好き。そう思わせてくれたあなたが好きよ。こういち。あたしとこういちの間に新しい命が出来たら、こういち。」
「あたしをさらって。」
「こういちとだったら、どこへでも行くから。」
そう言って柄になく、さくらさんはちょっとだけ泣いた。
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